ぴたごらファーム
島根県冬至-2024-
12月も半分以上が過ち、寒さが一段と厳しくなってきました。
今日は12月21日。二十四節気の最後に数えられる冬至を迎えました。
冬至とは一年で最も日照時間が短い日。
という事は、太陽の出ている時間が短く、お日さまの恵みが一番少ない日ですね。
それは陰が陽に転じる様に明日から少しずつ日が長くなり、太陽の力が徐々に復活していくという事でもあります。
みなさんは冬至に何を召し上られますか。
冬至の行事食として、広く知られているものに「なんきん」と「小豆」の煮物があります。
実は、私、この煮物が苦手です。
冬至の養生食としても、必ずといっていい程に紹介されるこのお料理。
ホクホクと甘い「なんきん」と「小豆」の組み合わせが、私にとっては少し食べづらいのです。
ですが、こんなにも組み合わせが素晴らしいと言われている小豆かぼちゃを作って美味しく食べたい!
今年、栽培に初挑戦した小菊かぼちゃで作ってみたら、大成功でした。
かぼちゃには「西洋かぼちゃ」と「日本かぼちゃ」があります。
(「ペポかぼちゃ」もあります。)
「西洋かぼちゃ」は栗のようにホクホクとした食感で、甘みが強く、今食べられているかぼちゃのほとんどが「西洋かぼちゃ」です。
「日本かぼちゃ」は肉質がきめ細かく、ねっとり、しっとりとした食感で、あっさりした味わいです。
今では、あまり見られなくなりましたが、古くから作られている日本の在来種です。
日本かぼちゃである「小菊かぼちゃ」を適当な大きさにカットして、小豆と一緒に小一時間コトコトと重ね煮して、小豆が柔らかくなったら、お塩をパラリとしてみました。
味付けは、ほんの少しのお塩だけ。
小菊かぼちゃは煮崩れしにくいので長時間火にかけていても、形が崩れませんでした。あっさりとした味わいがホクホクとした小豆自体の甘味を引き立てて、とても食べやすい。
馴染みのない野菜に出会い、そのものを生かす料理は何かと、考えを巡らせ、手を動かす。
日々の暮らしの中のほんの些細な事ですが、充実した時間を野菜たちからもらった気がしました。
「小菊かぼちゃ」は他にも、少し酸味を効かせた味噌和えや、ごま和えやマリネに。
素揚げにしてもあっさりとした味わい、しっとりとした食感が生きて、パクパクいただけます。
また、ポタージュにしてもサラリと美味しくいただけます。
お日さまに注目が集まり、冬の寒さを無事に乗り越えられる様にと、願いを込めた野菜などを食べる習慣が根付いている冬至は、農を生業としている私達にとって一年を振り返るとても感慨深い日です。
明日から日脚が伸びて、春に近づいていきます。
この一年のことに感謝し、本格的な冬の寒さに備えて、心身を整える日にしたいと思います。
ぴたごらファーム
古川和美